ユニットケアとは、入居者様のご家庭の環境を施設内に再現し、家にいるときと同じように過ごしながら手厚い支援が受けられる介護手法のことです。
一般的な特別養護老人ホームでみられる「集団ケア」とは異なり、ユニットケアでは他の入居者や介護スタッフと共同生活をしながらも、ひとりひとりの個性や生活リズムを尊重にした「尊厳のある個別ケア」を実現します。
ユニットケアでは、10人程度のグループを「1ユニット」とし、ひとりひとりの入居者様には専用の「個室」が用意されています。個室には、家具や調度品などの愛用品の持ち込みも、安全性や健康上の問題がないものであれば可能ですし、起床時間や食事の時間なども可能な限り、ご家庭のライフスタイルにあわせられます。
また、ユニット内には他の入居者や介護スタッフと交流する「リビング(共同生活室)」とよばれるスペースもあり、顔なじみの入居者やスタッフとコミュニケーションが図れます。
基本的には、ユニット内の入居者と生活をともにし、決まったスタッフがケアにあたることで、尊厳のある個別ケアの実施と利用者様の自立度向上を目指します。
ユニットケアのいちばんの特徴は、入居者様のプライバシーを守る「個室」が用意されていることです。ご自宅で使用されていた愛用品の持ち込みもできますし、ご家族や友人が訪れた際も気兼ねなくお過ごしになれます。
それぞれのユニットには、他の入居者や介護スタッフとの交流スペースが設置されています。他の入居者と一緒に食事をとったり、顔なじみの介護スタッフが企画するレクリエーションに参加したりと、コミュニケーションを図る場として活用されます。
介護士をはじめ担当スタッフはユニットごとに常駐しており、入居者様は決まった人に介助してもらえます。このため、食事や排せつ、入浴などの介助も、スタッフがひとりひとりの状況を把握しやすく、丁寧なケアサービスを提供できます。
プライベートな空間があり、顔なじみの人に囲まれ、必要なときにはサポートしてもらえる。それは、入居者様に安心感が生まれやすい環境といえるでしょう。介護が必要になっても普通の生活を一日でも長く営むことが、ユニットケアの最大の目標なのです。
食事の準備は、それぞれのユニット内で行われます。入居者様は、スタッフが用意する食事の準備風景を見ることができ、ご自宅と似た雰囲気を体感いただけます。
通常の食事のほか、季節のイベントやセレクト食、ご当地献立といった「イベント食」も月に4回実施するほか、ケーキ作りなどのおやつレクリエーションも好評です。
親愛会が運営する「親愛の丘」には、介護士のほかにも機能訓練士、管理栄養士、看護士、ケアマネジャー、生活相談員が在籍しており、それぞれの職種が連携しながら入居者様をサポートします。健康面で心配な方でも看護士が巡回して相談にのりますし、ご家族との連携についても生活相談員が随時報告をいたしますので、安心してお過ごしいただけます。
親愛の丘の入浴施設は、座位浴ができるリフトが設置されており、利用者様、介護者ともに負担を最小限に抑えられます。
立位可能な方にはアームを掴み安全に、座位浴の方にはリフトを使わない入浴スタイル、車椅子入浴は従来の旋回方式ではなくスライド方式など、家庭環境と同様に心地よい入浴時間を過ごせます。
それぞれのユニットでは、独自のイベントや季節行事を実施しています。たとえば、近隣の小学校からの訪問演劇会、保育所の子どもたちが参加したハロウィンパーティー、ボランティア団体に協力いただいてのフラダンスや習字大会など、地域の方々とも触れ合える機会が用意されており、日常生活にメリハリが付けられます。